<<side続編>>双子とあたし。




「ありがとう、でも平気だから…」



そうには見えないけど、とさらに心配した様子で薫の顔を覗いた。



「ほら、お昼終わっちゃうよ?」


「本当だ。じゃあ戻ろっか?」





お弁当を畳んで歩きだす。





―――――…言えるはすが、ない。




今の自分の彼氏が最近急上昇で人気になっている『balloon』のVO.悠太だということを…。



そして、プロポーズはされたもののそれ以降の進展は皆無だということも。








薫は表向き、フリーだということにしている。



そのせいか、よく合コンやコンパに誘われる。

しかし、それを薫はことごとく断っていた。




一回だけ、付き合いが悪いと言われて渋々合コンに付き合ったことがあった。


目の前に座った男は必要以上―――他の女子からも気味悪く思うくらいに薫に迫ってきて、挙げ句の果てには家に泊まると言い出した。



酔っていたこともあったが薫の後をつけ、家を開けた瞬間に勢いよく入ってきた。



薫は驚いて、ドアを閉めようとしたがそれは遅く、そのまま玄関で押し倒されてしまった。







< 15 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop