<<side続編>>双子とあたし。



そんなことない。


悠太は悪くない。



言いたいのに言えない…。




薫は肩を抱き寄せられた。


『もう、平気だから。俺がいるから…』




力なく呟くその声とは裏腹に、抱き締める力は強くなる。




薫は安心したのか、涙を一粒流した。




頬をつたう涙を優しく拭い、まるで壊れものを扱うが如く薫の唇にキスを落とした。




柔らかな熱が震える唇を包み込み、そっと安心へと導いてくれる。





薫にとって、それはある意味でも忘れられない日だった。













< 17 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop