<<side続編>>双子とあたし。
豪快なツッコミが悠太の頭に当たる。
「一人で勝手に話を進めやがってっ!」
「まあまあ、昂太。この話自体が悠太中心だから仕方ないんじゃない?」
いきなりのタブー発言っ?!
慎司はこういう人なのである。
「ぶー!」
「……お前ら、今日は何しにきたんだよ」
冷静沈着な一輝はコーヒーをひとすすりして言った。
「新曲の話し合いだろ?それに、二ヶ月先にはアルバムも発売予定なんだ…しっかりしてくれよ?」
こういうとき、やっぱりリーダー的存在の一輝は頼りになる。
俺たち『balloon』の活動はなかなかの好調な滑り出しだった。
向こうに比べたらまだ人気はまずまずだけど、それも時間の問題だってマネージャーが言ってた。
―――――…あんまり人気になっても困るんだよな。
そんなことになったら、薫とそうそうデートになんか行けなくなってしまう。
身を潜めるような行動しかできなくなってしまうのだ。
確かにそういう人気を俺たちは望んでいたんだけど……
「……悠太、話進めていいか?」
―――――…また、別の世界に飛んでいた。
一輝の顔はもう諦めたような、失笑だった。