<<side続編>>双子とあたし。
そして、今に至るのである。
薫は顔を真っ赤にしながらもといた位置に座りなおした。
そんな姿を微笑ましげに英介は眺めている。
――――…絶対からかわれてるっ!
薫は赤面しながらも、英介の顔を見た。
「まずは、なんで俺に相談に来たのか訊いてもいい?」
薫は深く頷くと事の経緯を話し始めた。
「まずけいに相談しようかな、って思ったんだけど…」
「けど…?」
「けい、今大事な時期だから邪魔しちゃ悪いと思って…」
「なるほど、そうだよね今大きな大会やってるって聞くよ」
「うん」
けいはバスケのプロの世界に足を踏み入れた。
もともとの才能を買われ、今では大手企業のチームに所属しているのだ。
たまにの連絡はするが、さすがに大会が重なる時期は控えている。
けいのことだから、もし薫が悩んでいることを聞いたら親身になってのってくれるだろう。
それはそれで嬉しいが、けいの今後を考えてもその分の時間が迷惑をかけてしまっていると感じてしまう。
だから薫は相談できない、と言う。