<<side続編>>双子とあたし。
「悠斗にも相談しようと考えたんだけど、自衛隊ってよくわかんなくて…」
「それで、俺に…?」
コクリ、と薫は頷いた。
「なんだ、俺は残りものかぁ」
「え!」
「薫は一番に俺の所に来てくれたのかと思った」
笑いながら言うその顔はどうにも冗談には見えなくて、薫はおろおろする。
「ん。でも、結局は俺の所に来てくれたからよしとしますかっ!」
膝を叩いて英介は開き直った顔を薫に向けた。
「そんで、薫はどうしたいの?」
「え…」
「悠太君と一緒になりたい?」
その言葉にコクンと一回頷いた。
「ん…、そっか…」
英介は立ち上がるとコーヒーを二杯分入れてその片方を薫の前に差し出した。
「とりあえず、勇気を持って話し合うべきだと思うな、俺は」
英介はコーヒーをひとすすりしてからまた口を開いた。
「女の子からそれを切り出すのはすごく勇気が必要だってわかるけど、それでも今の自分の気持ちを悠太君に伝えてごらん?」
「悠太に変な目で見られたらどうしよ…」
「そんなことはないよ、悠太君はだいぶ薫が好きだろうし。でもそうなったら…――――」
「そうなったら?」
英介は目を閉じて、次には優しい微笑みで薫を眺めた。