<<side続編>>双子とあたし。
薫には思ってもみないことだった。
まさにこのことで悩んでいたのだ。
悠太の行動に嬉しさを感じた。
そして、自宅にて
互いに向かい合い、正座の姿勢で名前と印を押した。
「改めて、よろしく」
「よろしくお願いします!」
その風景は新年の挨拶のようで、なんとも微笑ましい。
まあ、正式にはその調印された結婚届を役場に提出しなければ夫婦とは言いたがいのだが、この際細かいことは気にしないのである。
それも無事に終了し、二人はソファーに座り今後のことについて話し合っていた。
「式はいつがいいかな?」
「そうだね、近いうちがいいよね。俺、早く薫のウエディング姿が見たいからね」
薫は耳まで赤くなる。
悠太にその姿を見せたら可愛いと言ってくれるだろうか。
そんな少し先の未来を想像したら、なんだか恥ずかしくなった。
「―――――…ねえ、薫」
そんな思いにふけっていると、真剣な声が聞こえてきた。
声の持ち主を見ると、そこには自分を覗く彼の姿があった。
「これまでに何回告白されたの?」
「へ?」
真剣な顔つきに比べるとどうも話題のズレた話だったので、薫は思わず拍子抜けた声を出してしまった。
「何回…って」
「聞きたい」