<<side続編>>双子とあたし。
あまりにも真面目な視線を向けるので、薫は仕方なくこれまでのを思い返した。
「えっと…。―――…ねえ、これ聞いてもあたしのこと嫌いにならない?」
「ならないよ、変わらないから…」
薫は優しい微笑みを向けられ、胸を撫で下ろした。
「な、七回…かな?」
「七回っ?!」
「ご、ごめん!」
悠太の驚きに薫自身も驚いて、思わず謝ってしまった。
「でもね?!全部断ったよ?……あ、丁重に」
「なんで…?」
「え、なんでって…、それは悠太を待ってたいと思ったから…」
瞬間、薫は勢いよくソファーに押し倒され、気がつくと悠太の顔が間近にあった。
「…なんで?俺、いつ帰れるか分かんなかったんだよ?そんな可能性の低い男を待つなんて…」
「あたし、そんな基準で男の人を決めてるんじゃないっ!」
いつもの薫ならすぐに赤面しているのだが、今日は押し倒されているのにも関わらず真っ直ぐと悠太を見ていた。
「悠太の傍がいいの!…言ったよね?『待ってる』って…、あたしは悠太が大好きだから待ってたの!」
「薫…」