<<side続編>>双子とあたし。
「大丈夫、ちゃんと甘い声で誘惑できてるから…」
―――――…悠太が、変っ?!
いつも以上に大人な悠太に薫は戸惑うだけだった。
悠太の手が髪を梳き、頬をふれ、首筋をなぞり、そして…―――――
「――――………って、ストーーーップっ!」
悠太が服に手をかける寸前で彼に拘束されていた手を自力で解き、そのまま押し返した。
悠太は一瞬の出来事すぎて何があったのかわからずにぽかんと口を開けて惚けていて、対する薫はと言うと…――――?
――――…あ、焦ったぁ〜。や、やればできるじゃないすか!
と、悠太から解き放った手を見て自分の戦果を讃えていた。
「強……、」
意外だったのか、悠太は小さな声でそう呟く。
しかし、だんだん我に返ったのか頬はおろか顔全体が真っ赤になっていった。
「うわ……、俺、なにして…」
「ゆ、悠太?平気?」
頭を抱える悠太を心配して薫は声をかけるとそれに驚いたのか、ビクッとして恐る恐る薫に視線を合わせた。
「か、薫…」