<<side続編>>双子とあたし。
「―――――…誰にも見せたくないほど、綺麗だ…」
薫の肩に顎を乗せ、そっと耳元に囁く。
息の吹きかかった耳がくすぐったくて、薫は顔が赤くなった。
その様子を見て、ふふ、と笑う声がした。
そう、二人は甘い時間を過ごしていたが、忘れかけていたこの部屋には―――否、店には店員がいたのだ。
「「す、すみません…」」
二人はぱっと放して距離を置いた。
「あら、私はそういうのは構いませんので続きをご遠慮なく…」
「いや、この状況で続きをしろって…」
悠太が薫を見た。
その目配せに薫も応える。
「む、無理だよっ!」
「まぁ、残念!」
店員はこの二人が気に入ったらしく、声を上げることこそなかったがそこそこ笑い続けていた。
「お二方を見て、私も恋がしたいと思いました。悠太さん、今度は新婚の歌詞を期待しています」
「あ、今回は俺じゃなくて…―――――」
と、ちょうどそのときっ…―――!