<<side続編>>双子とあたし。
――――バダンっ…!
勢いよく手動の扉が開かれた。
入り口には人が立っているみたいだが、逆光でよく見えない。
「お、お前っ…!なんでここに…?!」
悠太はいち早くわかったみたいだ。
しかし、あまり歓迎しているような雰囲気ではない。
薫も遅れまいと極力目を細めた。
―――――…できれば、中に入って欲しいんだけど。
と願っていると、何も言わずにその人は扉を閉めて入ってきた。
「……!あなたはっ…!」
薫はあまり高校時代では馴染みがなかったが、名前と顔は知ってる。
そして、悠太と一緒に仕事をしている…―――――
「なんでこんなとこにいるんだよっ!この昂太様を出し抜いてこんな店のソファーなんかにちょこんと座ってんな!羨ましいだろうが…!」
いきなりの暴言に薫は思わず目を見開いた。
――――…こ、昂太くんってこんな子だったっけ?
理解ができずに頭に疑問符を並べていると、また入り口の扉が開く音がした。
「ねぇ、昂太〜。絶対見間違いだよ、こんなとこに悠太が…――――あ、いた…」
―――――…慎司くん?!