<<side続編>>双子とあたし。
次いで入ってきたのは慎司だった。
――――…じゃ、じゃあ、一輝くんもっ?!
期待した通りに一輝が入ってきた。
「お前ら、少しは遠慮しろよ」
ため息をつきながら入ってきた一輝はなんだか疲れていそうだった。
「いいだろ、別にっ!」
一輝の疲労感溢れた声は悠太の昂太に対する抵抗の言葉で消されていた。
「よくないっ!だいたいフィアンセはどこにいんだよ、何だ?見栄張ってんのか?本当はフィアンセなんていなかったんだな?!」
―――――…あたし、悠太のもろ隣にいるんだけど…。
薫は少なからずショックを受けていたが、昂太は今の状況では悠太しか目に入っていなかったのだ。
「俺の隣にいるだろっ!」
「となりぃ〜?」
完全に血迷った昂太の視線が薫を捉えた。
――瞬間、口が外れるくらいに大きく開けた。
「わぁお、薫ちゃんだ!」
何も言えない昂太の隣で気の抜けるような慎司の声がする。
「お、ウエディング姿か…。うん、すごく似合っているな」
「あ、ありがとうございます」
一輝にも褒められてもらってしまった薫は恐縮した顔で礼を述べた。