<<side続編>>双子とあたし。
「ほら、昂太もなんか言いなよ」
慎司に促されて発した言葉はなんと――――
「……好きだ」
「「「は?」」」
薫以外(つまり、昂太を抜かしたballoon三人)が声を揃えて昂太の言葉の真意を問う。
全員の視線が昂太に向けられた。
そして、昂太は未だに薫から目を逸らせない。それどころか、顔がみるみる赤くなった。
「き、綺麗すぎる…。俺、す…ストライクなんだけど…!」
「はあっ?!」
悠太は止まっている昂太に駆け寄って、急いで目を覆った。
「うわっ!止めろよ、悠太!まだ薫さんがっ!」
―――――…『薫さん』?!
「お前は異常だからもう薫を見んなっ!」
「異常じゃねーよ!むしろ正常だしっ!もっと薫さんを目に焼きつけたいんだよー!」
「焼きつけたらその目玉を焼く!」
昂太が必死に悠太の覆っている手を剥がそうとしていた。
「薫、もう着替えてこい!」
「待ってくれっ!薫さん!」
――――…この状況をどうしろと?!
他の二人を見てみると、悠太と昂太の仲裁に入る様子は感じられなかった。
―――――…いつもこんな感じなのかな?
唖然としながらも、薫はクスリと笑った。