<<side続編>>双子とあたし。



「じゃあ、着替えてきますね」


きっとこの争いを抑えるには自分がこの姿から変わればいいのだ。


「あぁ!最後にその美しくて可憐な姿をーっ!」




昂太も必死に抵抗するが、悠太も負けてはいなかった。




「……お手伝いしますね」



後ろから店員に声をかけられて、はい、と頷いて試着室に向かった。



「balloonって、仲良しなんですね」



まだ続く二人の抗争を見て店員が微笑んだ。



「みたいですね、きっとあれは仲が良い、部類に入るのでしょうね」


「せっかく全員いるから…、サイン貰えるかしら?」


「あはは、どうでしょー?」




そんな他愛のない話をしながら、薫はウエディングドレスを脱いだ。





――――
―――――――




着替え終わってみんなの所に戻ると行儀良くソファーに座っていた。



ただ、昂太が頬杖をつきながらふてくされた顔で待っていたのだが…。




「お帰り、薫。お疲れさま」



と悠太に優しい言葉をかけられた。









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