<<side続編>>双子とあたし。
高校のときからの、俺たちの夢…――――
俺たちは今それを叶ようとしているのだ。
昂太はその経緯が楽しかった。
辛いこともあった。金に困って八方塞がりのときもあった。
しかし、どれもここに至るまでのプロセスにすぎなくて、昂太にとっては『楽しかった』と一言で表すことができた。
メンバーにも恵まれた。
これ以上の幸せはないのではないか、……そう、思うときがある。
しかし悠太や一輝を見ていると、共に添い遂げる人がいることを羨ましく感じた。
「いいなぁ…、俺も欲しいよ…」
自分にも、大切にしたい…大切にされたい、愛したい…愛されたい―――――
そんな人が傍にいて欲しかった。
机に突っ伏して、昂太は今までを振り返った。
――――…できなかったわけではない。
そもそも向こうの国では、昂太は悠太よりも人気があった。
それ故に、何度かセレブ(?)にも誘惑されたときがあった。
それでも昂太は、それを引き受けようとはしなかった。