<<side続編>>双子とあたし。
―――――大切な人が欲しいくせに、それが自分の負担になるのが怖かった。
自分の欠点になってしまいそうで、昂太は恐れた。
だから、向こうでは女を極力避けていたかもしれない。
もちろん、昂太自身はそういうつもりはまったくないのだが、本能が彼の心に囁いていた。
しかし…―――――
『昂太くん、』
彼女の透き通った声変わりが再び聞こえる。
『あたしたちの結婚式、来てくださいね?』
例外だ。
薫のドレスが輝いて見えた。
ドレスが一層薫の美しさを表現しているようで、昂太にとってこれ以上の女性はいないとみた。
だか、彼女には悠太という、それはそれは一生彼女を大切にしそうな男がいた。
―――――…勝てっこない。
あれほど人を一途に思う男はいないのだ。
それは、昂太を認めている。
「はあ…」
思わずため息が出てしまう。
それほど薫は綺麗で、しかし叶わない淡い恋だということ思いしらされた。
昂太はふと思い出したかのように携帯を握り、着信ボタンを押した。
『…もしもし?』
出たのは慎司だった。