<<side続編>>双子とあたし。
――――――…文化祭で悠太の自作曲がその『薫』への想いを綴ったものだと知ったとき。
――――――…空港の搭乗口前で悠太が振り返った先には、想いが通じた彼女へと視線を向けていたとき。
――――――…彼女の話をしていた悠太はいつも以上に男前だったとき。
――――――…悠太は本気で彼女を愛しているのだとわかったとき。
―――――――…薫のウエディング姿を真っ正面から見たとき。
――――――…その姿に自分の心が動揺していると気づいたとき。
――――――…しかし彼女の視線はいつも、彼女を愛している悠太であるのだとわかったとき。
―――――――…それは、到底誰にも邪魔できない空間を醸し出しているというとき。
――――――…なにより薫が悠太との結婚式を待ち望んでいる現れを目の当たりにしたとき。
すべてが走馬灯のように昂太の頭を過ぎ去っていった。
そして、それは彼にとってひとつの答えを導きだす。