<<side続編>>双子とあたし。




「今回俺が作詞作曲するって言ったよな?」




『言ったよね、自分で。恥ずかしいくらい馬鹿デカイ声で』




昂太が頬を若干染めて、悪かったな!、と言うと慎司からクスクスと聞こえた。



『それで?どうしたの?』




「俺、二人のウエディングソングを作ることにした」
















―――――――…返事が返ってこない。














「………おーい?慎司くーん?起きてますかー?」




『……昂太、できるの?バラード系』





この発言は慎司にとっても驚くべきものだったみたいだ。


疑心暗鬼で昂太に問うてくる。





「それはわかんないけど…、俺は純粋に悠太と薫さんを祝いたい気持ちが一番強いんだ」



『へえ…――――――』




次に、実はね、と慎司の言葉が続く。




『昂太ならロック系の曲にするのだと思ってた』



「残念ながら、切ない気持ちも持ち合わせているので」




受話器の向こうでまた優しく笑う声がした。



この声は決して昂太を馬鹿にしない。


真面目に聞いてくれた、……そんな証なのだ。









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