<<side続編>>双子とあたし。
「お前が薫ちゃんを好きなのはわかる…――――いや、よくわかった。だがな、その後の気持ちに躊躇ってどうするんだ」
「そりゃ、そうだけど…」
「薫ちゃんはお前のベタなプロポーズに頷いたんだろ?」
「うん、『はい』って…。………てか何?!ベタでもいいだろっ!」
「あー、はいはい」
噛み付く悠太に対し、手を前に出してなだめる一輝が目に浮かぶ。
「まあ、プロポーズに了承してるならそこまで悩む必要はないな」
「え、なんで?」
一輝のさらに深いため息…―――。
本日二回目である。
「お前さ、何年日本を離れていたと思ってるんだ?五年だぞ、五年」
「知ってる。つか、忘れてたらまずいだろ俺の記憶力」
「そうだ。いいか?五年の間に薫ちゃんは高校を卒業して、大学行ってそれも卒業して、今じゃ就職してんだぞ?」
「それもわかってる!だから何だよ?今日の一輝は回りくどいな…」
「それほどお前に気付かせたいんだ。でも、だめみたいだな。気付く可能性は0に近い…」
一輝は声を唸らせて悠太に言うか言わまいか考えていたが、諦めたようだ。
「悪かったな、鈍感でっ!」
いつも以上に回りくどい一輝に対して悠太も痺れを切らしていた。