<<side続編>>双子とあたし。
「そうだよね、けいはプロバスケ選手だもん。本当に来てくれてありがとうございます」
薫は座ったままでごめんね、と言いながら深くお辞儀した。
「いいんだよ、薫。あんたが幸せなら私も幸せなんだから」
困ったようにけいは眉をハの字に曲げて笑う。
そんな彼女を見て、薫はいつものけいだと思いながらつられて笑った。
「……さて!今日は食べて飲みまくるぞー!」
「ちょっ、けいちゃん行儀が悪いよ!」
「(*^_ ’)テヘペロ」
「わかりやすいけど……!わかりやすいけど、それはいけませーん!」
けいと英介は風の如く走り去って行く。
「……なんか似合ってるな、二人とも。というか、あんな性格だったっけ?」
完全に置いてきぼりだった悠太は唖然としながら薫に問い掛ける。
そんな薫は二人を微笑ましく見つめていた。
「みんな変わるんだよ。少しずつだけど、みんな変わっちゃうんだよ」
その言葉はどこか悲しげに聞こえた。
だから、悠太は彼女の手をそっと握る。
大丈夫だ、って。
薫は繋がった手を見てから、何事かと繋がれた先をたどりながら悠太の顔を見る。
その彼は、愛おしく微笑んでいた。
「俺は変わらないから」
だから、安心して。
みなまで言わずとも、彼女になら伝わるだろう。
証拠に、薫は頬を染めてにっこり笑う。
繋がる、っていいなぁと思った瞬間だった。