REAL HOPE Ⅲ
間の私は喋る事さえできず、ただ沈黙を守る
「……ツカサ」
小さな透き通るような声が届いてくる
ツカサはそれを聞いた瞬間、バッと何かから覚めたように視線を女の人から反らすと
「ジュン行くぞ。」
グイッと私の手をとって歩き出した。
「え?ちょっと…!」
あの人いいの?
知り合いじゃないの?
ツカサは止まる事なく、ただひたすらにこみ合う繁華街をひっかくようにして進んで行く
振り返った先には、もお女の人は見えなくて
私の手に握られたあの人のハンカチだけが残った……