REAL HOPE Ⅲ



「手?」


「あぁ」


「何で手?」


「いいから」



半ば無理矢理レツに右手を捕まれシーツがカサッと音をあげる。



「…え……これ……」



右手にキラリと光るソレ

薬指でここぞとばかりに輝いているソレ



「お前が高校卒業したら左手につけてやるよ」



ニヤリと笑ったレツの顔は、すでに私の涙で滲んで見えて



「ジュン、誕生日おめでとう」



この言葉にまた涙が溢れて出した。




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