お前のことが…好きや。

そして、粘って粘って……あの日。

「なぁなぁ君、かわええなぁ…俺とどっか行かへん?」

ナンパ野郎のふりして近付いた。

めっちゃ緊張して、手には汗かいてて。

でも、君から返って来たのは…

「………誰に声掛けてやがんだ、チャラ男は嫌いじゃボケェエエエ!!!!」

バキィッ

言葉だけじゃなく、手もだった…

ふはっ…やらかしたか?俺。

でも、印象付けられたか。
それでよしや。

俺の初恋やで?
まず、上手く行かんことがないと…楽しくない。

…楽しくないんや(笑)

そんであの子は、チッと舌打ちだけして歩いて行った。

取り残された俺は、周りの人にクスクス笑われた。

でも、恥ずかしいとかは無かった。

君に近付けた…そんな気がしたから。



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