キスシリーズ~バカ、キス、好き~ 短編
「みみみみ水樹!?」
「隆浩、屋上でキスしたかったんでしょ?」
あたしはわざとらしく隆浩に近寄る。
「なっ!!あんなぁ…オレそんなんする気ないよ?だって水樹の嫌がることしたないし」
「じゃあ、なんで朝あんなこと…」
「ゆうたやろ、水樹の恥ずかしがってる姿が可愛いからいじめたなるって♪」
亜季の言ってたことが当たってたな…。
「バカだなぁ…あたし今ならいいよ」
「ほんまに!?せやけど、やっぱいやや」
あぐらをかいて、ブスッとする隆浩。
「どうして?」
「なんとなくや」
「あたしはしたい…」
朝と逆だよ、これじゃ…。
「ほんなら、一瞬だけな」
「うん…」
「そのかわり、家帰ったら、めっちゃする」
へっ?
「いや、家帰ったらはその…」
さすがに恥ずかしい…。
「なんかあんの?」
「ううん、何でもないけど、恥ずかしいから…」
「なんやそんなことか…」
「そんなことって!!」
ちゅっ
へ?
「隙ありすぎやで♪」
なっ…なっ…。
「ば…ばかーー!!」
あたしはそう叫んだ。
隆浩はもう、ドアの前にいた。
「水樹可愛い♪」
うっ…。その笑顔は反則だよ…。
だけど、好きだからしょうがないってことにしよ…。
END