手紙~拝啓、先生さま~

出会い



「チャンスじゃん結城」


「…何が。」




朝礼後。


私は友達の咲希に、今朝のことを話した。



「その塾の話っ!」


「…えー何が?」



チャンスも何もあるか…


大っ嫌いな数学を勉強する時点でチャンスの"チ"もない。



「最近、先生と元生徒の結婚多いしさぁー。もしかしたら、もしかしたりするかもよ?」


「…咲希、それはない。」




―確かに、最近先生と生徒同士の結婚・恋愛が多くなっている。



周りで例えたら…


社会科の佐藤、
化学の岡本、
英語の笹川………


「それぞれ手持ちの教科に夢中で根暗。」


「生徒には人気がない上に、することなすこと全てがダサい。」



悪い評判しかまわっていない。



うーん…みんなが気付いていないところに気付くと落ちるってやつ?


…小説と漫画の読み過ぎかな。


でもそっかぁ…



イケメン先生が数学担当だったら…


嫌いな数学も好きになれるかも!?




…いやいやいや、そんないい話がある訳ないって…。





―あれこれ馬鹿なことを考えながら、私は朝礼を終えた。



< 4 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop