手紙~拝啓、先生さま~
元気でいい子。
とりあえず最初はこんな感じでOKしょ!
「…あ。」
―目の前にいたのは、華奢な、若い男の人。
「えっと…電話くれた…宮本さん?」
はい!という前に、
私は彼の顔に魅入ってしまった。
「うわ…」
イケメン。
久し振りに見た、整った顔。
華奢で、背も高くて…
気品あふれた顔。
…こんな人、芸能人でもなかなかいないよね…。
「…あの、宮本さん?」
ぼーっとする私の顔を、彼は心配した顔で覗き込む。
覗き込まれて、ハッと我に返る。
「あっ…すみません…えっと…数学の授業、を…」
「あ、担当は俺…」
え、
「えと…。」
…マジで?
「宮本さんの数学を担当する、坂口浩輔(さかぐちこうすけ)です。よろしく。」