HELLO
「…何か」

ポツリと、親太朗が言った。

「何?」

聞き返した私に、
「何か、新婚さんやな」

親太朗が呟くように言った。

新婚?

私と親太朗が?

「ブッ!」

おかしくて、私は思わず吹き出した。

「もう、何を言ってんのよ。

こんなやりとりなんて毎度おなじみなのに」

笑いながら言う私だけど、親太朗は笑っていない。

「親太朗?」

手を親太朗の前にかざして、ヒラヒラと動かした。

「俺…杏樹となら、夫婦になってもええかも知れん」
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