HELLO
本当に何気なくだったのに、
「まあな」

祐二は呟くように答えた。

「俺ンところは、じいさんの代から医者だから」

呟くように言うと、祐二は前を向いた。

「さ、行くか。

いつまでもここで道草を食ってたら日が暮れるぞ」

ハンドルを握る手が震えてるように見えたのは、私の気のせいだろうか?

車が発車したけど、私の心の中は何だかモヤモヤしていた。

祐二は、一体何を隠しているのだろう?

家族のことを聞かれたくなかったと言うような、あの呟くような答え方。

私の力で役立てるようなことがあるなら言って欲しいって思った。
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