HELLO
トレーのうえには、香ばしい匂いの焼き立てのクッキーとハーブティーがあった。

「杏樹さんはハーブティー好きかしら?」

私の前にカップを置くと、祐二のお母さんが聞いた。

「はい、好きです」

首を縦に振ってうなずいた私に、
「母さんがいれたハーブティーはおいしいんだぜ」

祐二がニッと笑った。

「あんたが言うことないでしょ」

私はバシッと祐二の肩をたたいた。

「別に言ったっていいだろうが」

「それは自分がいれてから言いなさい」

あーだこーだと言ってやりとりをする私たちを、祐二のお母さんが微笑ましそうに見ていた。
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