HELLO
何となく、電話をしている祐二の姿が頭に浮かんだ。

お母さんに電話して、私と会わせたいって言った祐二は、何を思ったのだろう?

何を感じて、何を思ったのかな。

「実のお母さんを亡くしてから、あの子は本当に1人ぼっちだったの。

主人も病院の仕事で忙しくて、あの子に構っている時間がなかったから、本当に嬉しいわ。

杏樹さんみたいないい人にめぐり会えて」

「私は、そんな…」

祐二のお母さんがあまりにも言うから、私は何を言えばいいのかわからない。

私、祐二に対してそんなたいした活躍してないんだけどな。

「祐二をよろしくお願いします、杏樹さん」

そう言って、祐二のお母さんが頭を下げた。
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