HELLO
ただ、かなえてあげたかった。

彼女の代わりに、祐二のそばにいようと思った。

「ありがとうございます、杏樹さん…」

涙目だったけど、それでも彼女は私に向かって優しく微笑んでくれた。


帰りの車の中でだった。

「杏樹」

祐二が話しかけてきた。

「何?」

「俺と一緒に住まないか?」

突然のことに、私は驚いた。

「えっと…」

つまり、同棲ってヤツですか?

「別に無理にとは言わない。

今すぐって訳でもない」

「いいよ」

私は言った。
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