HELLO
「杏樹、終わったか?」

祐二が部屋に入ってきた。

「わわっ、急に入ってこないでよ」

今日引っ越してきたばかりだと言うこともあり、部屋は散らかり放題である。

「別にいいだろ。

これから何度も入るんだから」

そう言った祐二に、
「じゃあ、ノックくらいしてよ」

私は言い返した。

「はいはい」

「で、何の用?」

そう聞いた私に、祐二は床のうえに腰を下ろした。

「片づけが終わったら一緒に夕飯の買い出しに行かないかと思って」

「私と、一緒に?」

そう聞いた私に、
「そりゃそうだ」

祐二が笑いながら言った。

「わかった、なるべく早く終わらせるから」

私は首を縦に振ってうなずいた。
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