HELLO
「山崎杏樹さん、結婚相談所で働いているんだ。

今、結婚を前提につきあってる」

私の代わりに、祐二が言った。

「そう、よかったわね。

祐二もそんな人ができたのか。

何か嬉しいかも」

言葉とは違って、信子さんはどこか悲しそうに微笑んだ。

「じゃ、私はここで失礼するわ。

杏ちゃん、またね」

「えっ…あっ、はい」

いきなり名前で呼ばれたもんだから、私は戸惑った。

なれてないって言う訳じゃないけど、ビックリしてしまった。

信子さんは私たちに向かって手を振ると、その場を去って行った。
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