HELLO
私と出会ったから、今までつきあってきた女の手を切った。

本気になったのは私だから、と言っていた。

「だから杏ちゃん、祐二をよろしく頼むわ」

信子さんが頭を下げた。

「えっ、あ…」

時間帯も時間帯だ。

周りが何事かと言うように私たちのテーブルを見ている。

「あの、頭をあげてください。

恥ずかしいですから」

私の声に信子さんは頭をあげた。

「本当に、祐二をお願いします」

そう言った信子さんに、
「はい」

私は首を縦に振ってうなずいた。
< 140 / 180 >

この作品をシェア

pagetop