HELLO
「ごめん、何かおかしくって」

そう言った私に、
「おかしいって…」

祐二は呆れたと言うように息を吐くと後頭部をかいた。

それすらも幸せだから、私の顔から笑いがこぼれる。

「私も結婚か」

今度は私がふうっと息を吐く番だった。

「何だよ、今さら嫌かよ」

「そうじゃないわよ」

首を横に振って否定した後、
「私ね、昔はこんな仕事好きじゃなかったの」
と、言った。

「結婚相談所に就職したのは、第一志望の会社に落ちたから仕方なく就いたからだったの。

だから、最初の頃は全くやる気が出なかった。

ムチャクチャなことを言うお客様の相手もしなきゃいけないし、その要求にも答えてあげなきゃいけないし…こんなとこ、絶対辞めてやるって思う日々だった」
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