HELLO
「仕事は他の子に任せるから、山崎さんはこれを」

「…はい、わかりました」

上司の命令は絶対なので、財布を受け取る。

あんのクソ院長、わざとだか何だか知んないけど財布を忘れやがって!

カツカツとパンプスを言わせながら、たった今きた職場を後にした。


さすが、総合病院である。

「…とりあえず、ついた」

呟いた後、周りを見回したら…当たり前だけど、人が多かった。

うっかりしたら迷子になっちゃいそう。

と言うか、さっさと財布を渡しに行かないと。

受付に預けるって言う手もあったけど、それでは私の気が済まない。
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