HELLO
「あら?」

百合子ちゃんが何かに気づいた声がする。

「杏ちゃーん、何で院長先生の名刺持ってんねん?」

その質問に、私はカップを落としそうになった。

しまった、見つかった!

捨てようと思ってたけど、テーブルのうえに置きっぱなしだった!

急いでリビングに顔を出すと、
「いつから院長先生と知りあいになってん?」

百合子ちゃんは名刺をヒラヒラさせながら首を傾げた。

「実は…」

ウソがつけないと思い、全てを話すことにした。

どうせ隠す必要もなかったし。

「ほー、面倒なもんに目ェつけられてしもうたな」

プリンを口に入れながら、百合子ちゃんが言った。
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