HELLO
「えっ!?」

驚いて聞き返した私に、
「別に珍しくねーだろ」

片桐が言った。

いや、充分にすごいです。

って言うか、珍し過ぎる。

「中入るぞ」

手慣れたように、片桐は玄関のボタンを押した。

「パスワードを入力してください」

機械的な声が聞こえたと思ったら、これまた手慣れたように打ち込む片桐。

住んでるから当たり前だもんね。

って言うか、パスワードをわかっていないと変だよね。

「開いたぞ」

いつの間にか開いていた自動ドアに片桐は足を踏み入れた。

「ま、待ってよ!」

私は彼の後を追いかけた。
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