HELLO
右を見ても左を見ても上を見ても下を見ても、全部大理石だ。

真ん中に深紅のじゅうたんが敷かれている様子は、ホテル以外何も浮かばない。

「おい、何やってるんだ?」

片桐に言われ視線を向けると、もうすでにドアの前にいた。

「ここが俺の部屋だ」

そう言うと鍵を差しこみ、ドアを開ける。

「わーっ…」

何か、ホテルのスイートルームみたいなんだけど…。

靴を脱ぎ、お邪魔する。

一体、何畳あるんだって感じだ。

ここを掃除するの、結構大変そうだな。

掃除だけで1日が終わっちゃうんじゃないかしら?

庶民的な考えを頭の中で呟きながら、周りを見回した。

お医者さんって、本当に稼いでるんだなって改めて思った。
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