愛した記憶
「誰なの?」

少しの期待と少しの不安を
抱きながら彼にたずねた。

『なほ。』

それは私の親友で仲のいい子だった。
そうなんだと笑って見せたけど、
本当は笑いたくなんかなかった。
むしろ泣きたかったよ。

『西川は?』

言えないよね…。
違う人が好きなのに。

「山岸君。」
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