ファンタジスタ マジシャンズ

この学校は、天才と呼ぶには超越し過ぎた二人の少年を抱えているのだ。
校長ですら、中級魔法剣士であり格上の二人に萎縮するのは当たり前の話だ。
殺人は罪だというルールさえなければ、二人が校長を殺すのは息をするより簡単なことだろう。

『卒業試験は、筆記と実技にて行われます。例外を除いて、その得点により称号と階級が与えられ始めて、自分の能力を語ることができます。試験内容は、一般生徒は…』

長々とした説明が、これからさらに１時間ほど語られた。
ほとんどの生徒は、先ほどの優輝と同じように湯煎したチョコレート状態だ。
ドロドロ～だ。

『既に称号と階級を与えられた特別生は、そのままテストを受けずに卒業としますが、本校が国から与えられた仕事の手伝いをしていただきます。それについては、また後ほど個別に担任より話があるのでそこで詳しく聞いて下さい。それでは、みなさんの無事をお祈りいたします。解散!!』

話がようやく終わり、それぞれがまた、教室へと戻っていく。

称号を与えられているのは、優輝と澪だけではないため、その者たちはまた、次々と担任に呼ばれ何処かへ連れて行かれる。
称号と階級と言っても、下級魔法使いや下級剣士程度。

二人の実力には、遠くおよばない。

『灰谷くんと西園寺くんは悪いが、一緒に来てもらえますか』

戻る途中、優輝と澪は校長に呼ばれ校長室へと向かうことになった。