桜から君が降ってきた。
『今日は夜ご飯いらない…』とかカッコつけて言おうとした瞬間、みっともなく大きな音が僕のお腹から聞こえてきた。
どこまで情けないんだよ、僕。
「ま、元気だせ。今日は外食にしよう。なっ。」
そう言ってパパは立ち上がって、また上着と鞄を手にとると、僕の背中をポンと叩いた。
「いらっしゃいませ。二名さまですか?」
「はい。」
「かしこまりました。ご案内致します。二名さまご案内!」
「いらっしゃいませー!」
全国チェーン店のレストランに入ると、すぐに案内された。
禁煙席のブースの窓側のテーブルに案内された。
周りは既に客で埋まっていた。
「ご注文決まりましたら、ボタンを押してお呼びつけ下さい。では、失礼します。」
その青年の店員は礼儀正しく腰から身体を折ると、爽やかな笑顔を残して厨房へと去って行った。
何とはなしに、僕はその青年を目で追っていた。
そして、溜め息をひとつ。