桜から君が降ってきた。
かすみちゃんが僕に手を伸ばして、
まっ逆さまになったかすみちゃんの
その身体の周りは
夕陽に照らされた暖色と夜の入り口の暗色の入り混じった桜の花びらが、
周りの空気と一緒に優しく包むように舞って、
桜から君が降ってきたんだ。
「ゆ、優ちゃ…っ!!」
はた、と我に返りコンマ一秒の間で頭の中はパニック状態になった。
どうしようどうしようこれって避けたらかすみちゃんが頭強打しちゃうけど万一キャッチできなかったら僕が後頭部強打しちゃうよねどうしよう!!!
一瞬の判断で、キャッチに試みることにした。
かすみちゃんのためなら、植物状態になったっていいや。
「きゃ――――!!!」
かすみちゃんは来る痛みに両目を固く閉じて悲鳴をあげた。
僕は両腕をめいいっぱい広げて構えた。