桜から君が降ってきた。
そして、その日の休み時間はすべて質問攻めとなった。
「どこから来たの?」
「さ、さいたま。」
「どうして私立のここに?」
「マ、…お母さんが制服が可愛いからって…」
「好きな食べものは?」
「ジュース…」
「「……(それ飲み物じゃん……)。」」
「前の学校でのあだ名は?」
前の学校では、不本意ながら『優ちゃん』と呼ばれていた。
最初は、女の子みたいで嫌だったんだけど、もう五年間ともなると慣れてしまった。
「『優ちゃん』って呼ばれてたんだけど、ほんとはあんまり好きじゃなかったんだ。だから、ここでは『すーさん』と…」
「優ちゃん!?」
「え、チョーぴったりじゃん!!」
「優ちゃんでけってーい!」
ワアーッとクラスメイトたちは笑いながら拍手して盛り上がった。
某釣り映画の登場人物のあだ名が密かな憧れだったんだけど…。
どうやら、ここでも『優ちゃん』は確定らしい。とほほ。