夜の園


 「…君が、東雲アゲハちゃん?。話は桜から聞いてるよ。」

 『…誰?』

 「あぁ、俺は時雨。笹部 時雨、だよ。よろしくね?」

 『桜の…彼氏?』

 「あれ?聞いてた?そう、桜の彼氏です。いつも桜がお世話になってます。」

 にっこりと、柔和な笑みを浮かべて

 私を見つめる彼。

 私はそれを見た瞬間魅了された。

 さらさらの黒髪、

 私よりも高い、すらりとした体。

 何よりも…優しげな声と、笑顔。

 一瞬で、好きになってしまったのに…

 彼は。親友。そう言われる桜の…彼氏だった。

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