夜の園


 初めて逢った時、アゲハは1人、泣いていた。

 「~ぅっ」

 声を殺し、静かに涙を流す彼女は

 あまりにも…美しかった。

 あまりの美しさに私は声を出すのも

 息をするのも忘れ、

 ただ、何かに憑かれたかのように

 涙を流す彼女に、見惚れていた。

 それが私たちの出逢い。

 …アゲハは知らないだろうけれど。

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