夜の園

始まりは



 狂暴で醜い感情の生まれた日。


 始まりは突然だった。

 いつものように講義に出席しようと

 渡り廊下を歩いていて。。

 私は彼女に逢った。

 初めて彼女を見たとき、私が思ったのは

 【可愛らしい】。だった。

 あまりにも私と違いすぎる彼女。

 それなのに彼女は私に話しかけてきた。

 「ねぇ?貴方、名前は何て言うの??私の名前は桜。北条 桜。よ」

 『…アゲハ。東雲 アゲハ。』

 「アゲハ?美しい名前ね。…あなたにぴったりだわ。」

 かちゃんっ…。

 心の奥、小さく、鍵が開くような、音が響いた…。

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