☆ハイローハート
*****
授業終了のチャイムが鳴ると、すぐさま立ち上がる
「あこ、一緒にいこ!」
「どこにー?」
アタシはペットボトルのキャップをまわしてお茶を飲もうとしているちひろに目をやる
「ちひろ、隣のクラスの間山さんやな?」
「うん、そう、肩までのワンレンの黒髪で、ものすごく雰囲気のある子だからすぐわかると思うよ」
アタシはペンとタロットカードを片手にあこを引っ張る
「え?隣のクラス行くの?」
と、あこは驚きながらもしぶしぶついてきてくれている
すぐ隣の教室のドアから顔を出して、黒髪ワンレン女を捜しながら「間山っていう女がMJの正体や、アタシの机の上にペン二本と気色悪い絵のタロットカード一枚置いていきやがった」というと、あこが一人を指差す
「座敷わらしみっけ」
……いつか、教室の前でぶつかりそうになった……
「こけし……」
アタシが呟くと、「黒髪のワンレンで、雰囲気のある女って言ったら、あの子なんじゃない?」とあこが(どーする?)といいたげにアタシの顔を見ている
「よっしゃ、いこ」
「ん」
凛と背中をのばして、教科書とノートを揃えながら一つ咳払いした彼女の前に立つと、ノートに“MJ”と書かれてあるのが見えた
「MJみーつけた」
アタシが突然そう言うと、間山さんが視線をあげてアタシとあこの顔を無表情に見比べている
突然の他クラス女子の闖入にまわりの生徒達がこちらを注視している
……暴力沙汰事件もあいまって、ピリっとした空気にしてしまっているらしい
「噂の“猟奇的な二人組み”が何の用かしら?」
……猟奇的な二人組み??
「ヤダ、猟奇的なのはモロだけでしょ、一緒にしないで~」
あこがそう言っているのを今は無視
「MJ、アタシの机の上に忘れ物しすぎ」
ペンとカードを見せると「あら」なんて微笑んだ顔が、和人形のように凄みがある
陶器を思わせる毛穴のない肌に、一重の涼しい目が強烈なインパクトを残す
メイクッ気はないのに、マスカラが塗られたまつ毛がさらに目力をアップさせていて……
授業終了のチャイムが鳴ると、すぐさま立ち上がる
「あこ、一緒にいこ!」
「どこにー?」
アタシはペットボトルのキャップをまわしてお茶を飲もうとしているちひろに目をやる
「ちひろ、隣のクラスの間山さんやな?」
「うん、そう、肩までのワンレンの黒髪で、ものすごく雰囲気のある子だからすぐわかると思うよ」
アタシはペンとタロットカードを片手にあこを引っ張る
「え?隣のクラス行くの?」
と、あこは驚きながらもしぶしぶついてきてくれている
すぐ隣の教室のドアから顔を出して、黒髪ワンレン女を捜しながら「間山っていう女がMJの正体や、アタシの机の上にペン二本と気色悪い絵のタロットカード一枚置いていきやがった」というと、あこが一人を指差す
「座敷わらしみっけ」
……いつか、教室の前でぶつかりそうになった……
「こけし……」
アタシが呟くと、「黒髪のワンレンで、雰囲気のある女って言ったら、あの子なんじゃない?」とあこが(どーする?)といいたげにアタシの顔を見ている
「よっしゃ、いこ」
「ん」
凛と背中をのばして、教科書とノートを揃えながら一つ咳払いした彼女の前に立つと、ノートに“MJ”と書かれてあるのが見えた
「MJみーつけた」
アタシが突然そう言うと、間山さんが視線をあげてアタシとあこの顔を無表情に見比べている
突然の他クラス女子の闖入にまわりの生徒達がこちらを注視している
……暴力沙汰事件もあいまって、ピリっとした空気にしてしまっているらしい
「噂の“猟奇的な二人組み”が何の用かしら?」
……猟奇的な二人組み??
「ヤダ、猟奇的なのはモロだけでしょ、一緒にしないで~」
あこがそう言っているのを今は無視
「MJ、アタシの机の上に忘れ物しすぎ」
ペンとカードを見せると「あら」なんて微笑んだ顔が、和人形のように凄みがある
陶器を思わせる毛穴のない肌に、一重の涼しい目が強烈なインパクトを残す
メイクッ気はないのに、マスカラが塗られたまつ毛がさらに目力をアップさせていて……