☆ハイローハート
「MJ、アタシはな、これから素敵な人と出会うかどうかを……」

「あら、横恋慕も悪くないわよ
あなたなら大丈夫なんじゃない?」

……MJ~~~~イイ奴やん!!


「占い結果が出ました
彼の前で服を脱ぎなさい」

MJが妙にはっきりと言って、アタシとあこは「…………」状態

「冗談よ」

……MJ
そのくそ真面目な表情で“冗談”は、わかりません

あこはひじをついて身を乗り出すと、「ねえMJ、あんた本気で“占い”してるの?」

MJは目を丸くしてあこを見返している

「興味深い質問ね……
占い自体があたるかどうか気にする人はいるけれど
そんな質問をしてきたのはあなたがはじめてよ」

その時、階段をあがってくる騒々しい男達の声がした

ギャーギャーと騒ぎながらテーブル同士をくっつけてガタガタ座る音がする

「コイツはー、この後彼女が迎えに来るんだってよー」
「マジで☆学校からそのまま一緒にデートすりゃーいいじゃんよぉ」
「恥ずかしーんだよなあ、まだウブだから~」

大声で冷やかしたり、笑ったり、……5~6人の声がする

しきりでしきられた向こう側だから顔は見えないけど、同じ空間だからかなりうるさい


「生まれた時間までわかるなら四柱推命もできるけど」

「それはわからんな」

「手相と姓名判断と今日はタロットもあるわ」

「水晶は?」

「水晶を持ち歩いてたら変でしょ?
自宅に来てくれたらあるけれど」

……あるんや


「おれ、ション便いってくるー」


一際大きな声がして、MJは眉をしかめた

MJの後ろを学ランの男が通っていく

「アタシ、タロットがいいな~
なんか、占いって感じするやん?」

そう言うと、MJはカバンからタロットの束を取り出した


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