☆ハイローハート
「あー!ナル!触ったらあかんやん!それ今占ってもらってたのにィ」

アタシが大声を出すと、ナルはタロットをまじまじ見ながら「へ?」なんてすっとぼけている


MJはナルの手からカードを奪うと「はい、おじゃん」と言い捨ててウーロン茶に口をつけた

「へ~、占い??」

MJのかもしだす暗黒オーラにナルは全く気付きもしていないというか、わかってても気にしてないのかもしれない

「こんな環境じゃ無理よ
また日をあらためましょう」

MJはナルを無視してアタシに話しかけた
それを聞いた理一が隣でアタシの袖を引っ張る

「何占ってもらうつもりだったわけ?」

「素敵な人との出会いを……」

と、理一の顔を見ずに答えていると、ナルがMJの横に座ってテンション高めに理一を指差した

「アイツ最近彼女ができたんだけど、その彼女といつHできるか占ってやってよ」

ニコリともしないMJが「最近彼女ができた……?」と呟いてウーロン茶から視線をあげて理一を見た後に意味ありげにアタシを見る

……察された

理一はちょっと照れながら「んなもん、聞かなくていいよ!」ってコーラをぐびぐび飲んでいる

奥に座っていたあこが「アタシちょっとトイレ、モロ通して」と立ち上がったから、アタシは一旦立ち上がった

あこが行ってしまうと、そのままアタシが奥まで入って座る

「彼女と性交渉ができる日付を具体的に占うことは不可能だけれど、相性くらいはわかるわよ?
……よろしければ」

理一にこちらのテーブルに座るように促すようにMJが手のひらを差し出した

「……性交渉」

アタシとナルの呟く声が混じる
なんて具体的な名称を発するんだMJ

ナル以外の男の子達はドーナツを食べながら雑談したりこちらを見たりしている

理一はMJの雰囲気に飲まれたのか大人しくアタシの横にズズッと体を動かした

紙を一枚差し出されて「あなたと彼女のフルネームを漢字で書いて」とペンを渡された理一は、カリカリと二人の名前を書いた

……その横顔を見ていると、そんなアタシをMJが見つめていて、思わず視線をあさってに向けた


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