☆ハイローハート
「男に手が早いってのは、ケンカッ早いって事

ね、ナル」


あこがそう言っても、ナルは笑ったまま


「なるほど、ケンカッ早いすけこましか」


アタシの発言にまた場の空気がシーンと静まりかえった


……アタシ一人アウェー??


理一がやっと携帯から目を離してこちらを凝視した


「あこ、マジでおもしろいの拾ってきたね」


だから、拾ってきたってなんやねん


「でしょでしょ~♪

アタシ、飲み物持ってくるね」



と、アタシ一人置いて彼女はお盆を持って出て行った


「お!さやかから返信キタっ!!」


椅子をギシギシ言わせながら理一が騒ぐ

ナルが「おー、なんて?」とやっとアタシから視線を外してくれて、ほっと一息

男達がアイドルさやかの話題で盛り上がってるのをよそに、アタシは裂けたスカートを目の前にかざしてため息をついた


サックリと15センチはある裂け目に人差し指を突っ込んで、その穴から向こう側を見ると男三人がこっちを見ている


「え?……何?」


穴から覗いたままたじろぐ


男達はすぐに目をそらして、またアイドルさやかからのメールの内容でワイワイ言い合い始めた


替えのスカートなんてないし……やっぱ縫うしかないかなー?

ダサいなあ……


男達がボソボソはなしている内容が少しだけ聞こえてくる


「俺、ショックだわ、さやかがあんなの履いてたら」







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